あすかの人生劇場

発達障害のマンガ書いてます

仕事を速くしなければいけないなんて知らなかった

漫画:仕事を速くしなければいけないなんて知らなかった


仕事って速くやってなんぼなんですね。練習して速くするんですね。

知りませんでした。普通は教わらなくても考えれば分かるんですよね。私は自分で気付けないままこの年になってました。



仕事が遅いと直接言われたことはないので、口に出して言うほどのレベルではないのかもしれません。自分がテキパキしていない自覚はありましたが、許容範囲内だと思っていました。

周りの人がイライラしているのは感じるのですが、萎縮するのみで改善はしません。言葉で直接言われないと分かりません。皮肉は言われましたが意味を理解できたのは10年後です。



アズ直子さんの言葉を聞いて衝撃を受けました。
そういえば歯磨きってすごい!日々の積み重ねで、意識しなくても最短の時間でできるようになってる!

仕事にそんな風に取り組んだことがありませんでした。私は仕事を舐めていたのです。



私にとって職場とは「行かなければ社会人として認められない恐ろしい場所」であり、同僚とは「つらく苦しい世界を構成している鬼たち」です。

鬼の相手をするので既に精一杯だったので、肝心の仕事内容については「適当にこなしていればなんとかなる簡単な作業」と舐めくさっていました。

「仕事慣れた?」とよく聞かれますが、何年たっても慣れることなどありませんでした。毎日がドキドキでした。私にとって仕事とは先輩と後輩と上手くやることでした

私は本当の意味での仕事ができていませんでした。

より良い商品やサービスを提供するために、自分の置かれた場所で最善を尽くす。会社の、プロジェクトの歯車になる、という基本的な意識が抜けているのです。自分のことしか考えていませんでした。

 

自分は速いのだと勘違いしていた

 私は自分が何をするにも速いほうだと思っていました。
根拠は↓

漫画:テストも速いし歩くのも速いし考えるのも速いし計算も速い



・・・計算が速いんじゃない。計算できたなら口に出せ。
そもそも相手は数字のミスに敏感な経理の人だ。暗算なんてありえない環境でずっとやってきたプロなんだよ。

それと、「いろんな考えがすばやく浮かぶ」ってそれADHDの注意散漫ですから。どうせ考えたことすぐ忘れちゃうでしょ・・・

自分ができるほうの人だと思っていたので、まさか白い目で見られているとは思わなかったのです。

 

自分がない

私は、自分が他人よりも合理的な考え方を持っていると思っていたので、仕事について私なりに効率よく工夫を凝らしていたつもりでした。

そしてその工夫の効果は、他の人の地道な努力を上回っているとなぜか思い込んでいました。愚かなことです。

空気が読めない、人の気持ちが分からないという圧倒的な劣等感を感じている一方で、同僚がテキパキとやっている作業は、私からすると「効率の悪いことををさも忙しそうにやっている」ように見えていました。

この「効率の悪いことをさも忙しそうにやっているなー」という本心は、私の理性により「お前はなんて性格が悪いんだ、けしからん!」と心の奥底に葬られました。仕事の仕方の分析はそこでストップしてしまいます。

葬られる本心の図

※この絵はよく出てきます・・・



また、私が私なりに考えて工夫したことはいつも否定されます(ほんとはそんなことはないのでしょうが、二極思考のためそう思ってしまいます)。

私の考えは間違っている。他人こそ正解なのだ。私は分析したり工夫してはいけないのだと思うようになりました。

何も考えず、とにかく言われた通りにするようになりました。これでは歯磨きはいつまでたっても上達しません。

自分の歯並びの凹凸を自分で調査し、ハブラシの角度を適宜変えて、異物があれば歯間ブラシで除去し、たまには歯医者で歯磨きの講習を受けて、そうやって歯磨きも仕事も上達するのです。

自分で考えなくては自分の身に付きません。


完璧主義(適切な雑さが分からない)

丁寧だねと子供の頃からよく言われていたので、「また褒められちゃった!てへぺろ!」と喜んでいました。誰もはっきり言ってくれませんでしたが、そこまでの丁寧さは求められていないのだといつの日か気付きました。

先輩と同じように雑にしたいのですが、適切な雑さが分かりません。勇気を出してやってみると雑すぎて呆れられます。



書類のコピーすら悩みます。お客様用なら完璧に、社内で使う用なら多少斜めになってもいい。どちらなのか分かりません。

エクセルでグラフを作るだけなら1時間でできます。見た目に凝るなら2時間かかります。どちらにすればいいのか分かりません。

ミスがあっても30分で仕上げればいいのか、それともちゃんとチェックして1時間で仕上げればいいのか。前者の場合もあり、困惑します。

いつもオロオロ、ビクビクしています。基準が自分の中にないからです。

www.asujin.com


とりあえず、期限は毎回聞くようにして、期限内でなるべく早く仕上げるようにはしています。

それでも「手が空いた時でいいよ」「いつでもいいよ」と期限を設定されない場合もあり困ります。手が空くことなんてありません。結局彼なりの期限に間に合わなかったようで、その後一切仕事を頼んでこなくなった人もいます。優しさのつもりで期限を設定しなかったのでしょうが、難しいです。



イライラしている人がこわい

遅い私にお母さんがイライラしている絵


動作の遅い私にイライラしている人を何人も見てきました。

私からとりあげて、怒った顔で当てつけのように素早い動作でパパッとやっちゃう人もいました。この絵の例に限らずです。

その人の背中を見つめ、見捨てられた気分になり、できない自分が恥ずかしく絶望します。それでも明日を生きねばなりません。この感情は消化できないまま心の奥底に隠されました。

(無意識の世界に追いやられてしまった本心:絵省略)

作業の速い人を見ると恐怖感を感じます。
心の奥底に沈んだ感情が、私をチクチク刺激してくるのです。

作業の速い人を見ると「こんな風にはなりたくない」とどこかで思ってしまいます。奥底に沈んだ感情が拒否反応を示すのです。

だから作業を速くすることにほんの少し抵抗があります。



基本的には生まれつき動作が遅いのでしょう。

速く動くとストレスを感じます。もっと速くしろと言われストレスを無視してがんばると、頭が真っ白になって頭と手足が別々になります。イライラしてキレそうになります。
職場ではここまで無理はしませんが、母と夫の前では実際にキレてしまいました。なんだコイツという目で見られましたが、私を捨てません。ありがたいことです。



また、三半規管が弱いのも動きが遅い理由の一つだと思います。消しゴムが落ちた時に反射的に拾おうとするとめまいがします。掃除機をかけると酔います。回転寿司で酔います。
自分が酔いやすいという自覚はあったのですが、酔わないようにゆったり動いていたことにはつい最近まで気付きませんでした。



とにかく、自分の心を置いてけぼりにしては仕事も何もできないことが分かりました。心の未消化の部分と頑張って向き合うことが解決の糸口です。

そして、仕事を速くするよりもまず自分が歯車の一部であることを自覚すること。歯磨きのように着実に身につけることを忘れてはいけないのですね。

私はフセンに「歯磨き」と書いて、目に付くところに貼るようにしてます。誰にも本当の意味は分からないでしょうね。フフフ。

あ、書類の最後のページに「これが終わったらおやつ」と書いておくのもオススメです。まじで速くなります。